悩み

不動産営業のためのパワハラ対処法【自分を守る事が大切です】

不動産営業の仕事をしていて、「パワハラにあっている、あっていた」という話を度々耳にします。

不動産という高額の商品を扱う営業社員が、社内でひどい扱いを受ける事などあってはならない事です。社内の人間を非人道的に扱う人間が、顧客に対して誠実な対応ができるとは到底思えません。

でも、残念ながら不動産業界には、まだまだブラック企業も存在しており、パワハラにあって苦しんでいる営業の方もいます。

 

この記事では、不動産営業が不幸にもパワハラにあってしまった時、どんな対応をするべきかを解説します。パワハラにあっている営業の方々が苦しい状況を抜け出して前に進むための情報を提供できればと思います。

 

motoki
この記事を書いているmotokiは、不動産会社を起業し10年ほど経営していました。このメディアでは、営業マンとしての経験と、経営者として社員の採用、教育を行ってきた経験と知識に基づいた、不動産営業に役立つ情報を発信しています。

 

この記事を読むと分かる事

  • 不動産営業がパワハラに遭っている時に心がけるべきこと
  • 不動産業界ではなぜパワハラが起こるのか
  • 不動産営業がパワハラにあった時の具体的な対処法

 

不動産営業がパワハラに遭ったら?

自分を守る行動を

もしあなたがパワハラにあっているなら、まずするべきことは、「自分を守ること」です。「自分を守る」とは、具体的に言うとあなたの「心身の健康を守る」という事です。

もしパワハラによって「心身の健康を守る」事が難しくなっているのであれば、すぐに退職や転職を考えてください

退職や転職をするのにもエネルギーが必要ですが、自分を守るために必要な行動です。

 

「仕事を急に休んだり辞めたりしたら顧客に迷惑がかかってしまう」と考えて辛くても出勤し続ける方が多くいます。もしかしたらあなたもそう感じているかもしれません。きっと責任感が高く真面目な方なのだと思います。

でも、仕事よりも自分の心身の健康を守る事の方が大切です。あなたが急に仕事を休んでも、いっそ辞めてしまっても、仕事は回っていくものです。あなたが責任を感じすぎる必要はありません。

 

ココがポイント

パワハラによって、心身の健康が脅かされていると感じるなら、退職や転職をするなど、自分を守るために行動を起こしてください。

自力でやめるのが難しければ「退職代行」などのサービスを使ってみても良いでしょう。

 

復讐心や被害者意識を持ちすぎない

心身の健康を守るという事には、あなたの「心の状態を安定させる」という事が含まれます。パワハラにあって追い詰められてしまうと、自分の中で悪感情が渦巻いてしまうものです。

「あの憎たらしい上司に仕返しをしてやりたい!」
「会社に責任を取ってもらいたい!」

という感情が芽生える事でしょう。

もちろん、受けた精神的・経済的な被害を請求するのは当然の権利であり、しかるべき方法で請求する事も必要です。でも注意したいのは、強すぎる復讐心や被害者意識によって、自分の心が蝕まれないようにするという事です。

ネガティブな感情は、誰もが抱くものですが、長期間ネガティブな感情に支配されてしまうと、気づかないうちに心が疲れていってしまいます。ネガティブな感情を持ちすぎないように意識しましょう。

自分の心や感情をコントロールするのは簡単なことではありませんが、つまらないパワハラ上司のせいで、あなたの心に深刻なダメージを与えてしまうべきではありません。

 

ココがポイント

復讐心や被害者意識といったネガティブな感情で頭がいっぱいになってしまわないように心がけましょう。

 

motoki
ところで、どうやったら心の状態を安定させる事ができるでしょうか?

 

不動産営業がパワハラにあってしまうのはなぜ?

  • パワハラは社会問題
  • 不動産業界はパワハラが多い
  • 上司の能力不足

 

心を静めるためにできる事の一つは、パワハラをしている相手や、自分の置かれている状況について冷静に分析し理解する事です。

ここからは、不動産営業がパワハラにあってしまう原因を分析してみましょう。

 

パワハラは社会問題

職場でのパワハラは、不動産業界に限らず、大きな社会問題になっています。

2019年に日本労働組合総連合会が行なった調査によると、全体の38%の人が「職場でハラスメントを受けた事がある」と答えています。

つまり、パワハラは誰が受けてもおかしくないほど多い、という事です。

 

パワハラの定義とは?

パワハラの定義は

  • 職場において行われる
  • 優越的な関係を背景とした言動で
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもので
  • 労働者の就業環境が害されるもの

 

さらに詳しく

労働環境が害されるとは、上司の言動により労働者が身体的または精神的に苦痛を与えられ労働者の就業環境が不快なものとなったため、職能の発揮に重大な悪影響が生じるなど、仕事をする上で見過ごせないほどの支障が生じる事です。

この判断にあたっては「平均的な労働者の感じ方」つまり、同じ状況で一般的な労働者が仕事をする上で見過ごせない程度の支障が生じたと感じるかどうかが基準になります。

参照:厚生労働省

 

不動産業界はパワハラが多い

不動産業界にはパワハラが起きやすい状況があります。

厚生労働省が平成28年に行なった実態調査によると、45.4%の企業が「パワーハラスメントの予防・解決のための取り組みを行なっている」と回答しています。多くの企業はパワハラが起きないような仕組みを作ったり、起きた場合の対処方法などを決めています。

一方、不動産業界にはこのような対策をあまりしていない会社があったり、対策していてもあまり守られていない場合があります。それには業界の体質が関係しています。

 

不動産会社は中小企業が多い

不動産会社の多くは中小企業です。中小の不動産会社は、営業上がりのワンマン社長が経営しているような会社や、一匹狼の営業マンが集まっているような会社が多くあります。

そのような会社では、営業活動だけイケイケという感じで、社内の仕組みをきちんと整えていないケースが多いのです。

もちろん、中小企業できちんとした会社はたくさんあります。でも、パワハラ対策も含めた働き方や職場の環境を整備しきれていない会社も多いのです。

 

古い企業体質が残っている

不動産業界には、古い企業体質が残っている会社が多いです。そのような会社は、社員をきちんと教育したり、筋の通ったミッションを持って仕事をしたりする事が得意ではありません。この体質は中小に限らず大手の不動産会社でもみられます。

古い企業体質の会社では、営業活動を根性主義で考えてしまいがちです。つまり、営業で成果が出ない場合は、「根性が足りないとか、甘えている」とみなされてしまいます。

会社全体としてこのような考え方しかできないと、上司は、部下が成果を出すためには「根性を鍛える」しか方法を思いつかず、結果としてパワハラへと繋がってしまう事があります。

 

上司の能力不足

パワハラが起きてしまう原因の大半は、上司の能力不足です。

意識的に部下や同僚へ嫌がらせをしている場合は問題外ですが、部下を指導、教育しているつもりが、相手にとってはパワハラになってしまっているというケースがあります。

そのような上司は、仕事ができ、営業成績も上げられる人かもしれません。でも、自分で行うのと、人に教えるのは、全く違う仕事であり別のスキルが求められます。

スポーツの分野で、名選手が必ず名監督になれるわけではないのと同じです。

パワハラをしている上司は、営業で結果を出せるように部下に教える方法を知らないのです。そのような上司は、基本的に管理職としての能力が欠けています。厳しく怒鳴ったり、脅したり、嫌味を言ったりするだけで部下は育ちませんし、営業で成果をあげられるようになる事はありません。

もしかしたら、自分も新人時代に先輩社員や上司から同じように扱われたのかもしれません。「習うより慣れろ」という感じで、ろくにトレーニングをさせてもらえず、見様見真似で必死に仕事を覚えてきたため、自分の部下にも同じことを無意識に求めてしまうのです。

部下を育て教える能力が欠けている、伸ばす気がない人間を管理職に置いている会社自体にも問題があります。もしかしたら、なんだかんだ数字としての成果を出してくるので誰も文句を言えない状態になっているのかもしれません。

経営の神様と呼ばれた松下幸之助は「企業は人なり」という名言を残しています。社員を大事にできないような人が管理職にいるような会社に将来性はありません

 

ココがポイント

不動産業界でパワハラが起きる原因は大きく次の三つでした。

  • パワハラ自体が社会的に多く発生しているから
  • 不動産業界の体質の問題
  • 上司の能力不足のため

 

パワハラを受けた時の対応方法

もしパワハラを受けているとしたら、どんな行動をとるのがベストなのでしょうか?

これから三つの対応方法を解説しますが、「これがベスト」という方法はありません。パワハラの状況や原因はそれぞれ異なるからです。

ご自分の状況に合わせて対応方法を検討してください。

 

  • 退職または転職
  • コミュニケーションを図る
  • 一人で悩まず助けを求める

 

退職または転職

もしパワハラに耐えかねているなら、勇気を出して退職や転職をしましょう。記事の最初で述べたように、「自分の身を守る事」という事を優先してください。

パワハラから逃げるのは何も悪い事ではありません。あなたを雇ってくれる会社は、その会社だけではありません。自分の心身の健康が脅かされているなら、退職か転職を決断してください。

 

コミュニケーションを図る

もし可能であれば、コミュニケーションを図る事が有効な対応方法になる場合もあります。特に、パワハラをしている上司が指導や教育のつもりで行っている場合です。

単に、性格がねじ曲がっていて嫌がらせをしてくる上司は、これに該当しませんので注意してください。

 

パワハラをしている本人とコミュニケーションを図るのは勇気のいることかもしれません。でも、思い切って自分の感じていることを伝えてみましょう。意外に自分がパワハラをしているという事に気付いていない上司も多いです。

自分の感じている事を伝えると言っても、一方的に感情をぶつけるのではなく、自分も営業で成果を上げたいと思っている事、具体的にどんな点を改善したら成長できるのかを聞いてみましょう。そして、厳しい言葉や扱いで自分がどんな気持ちになっているかも正直に話してみましょう。

 

さらに詳しく

話してみても理解してもらえず、状況が変わらなければ、会社を見限る時かもしれません。そうなったとしても、あなたの努力は決して無駄にはなりません。分かり合えない上司とうまくやっていく努力をした事は、今後の社会人としての人生にプラスの経験となるはずです。

 

一人で悩まず助けを求める

パワハラにあっている時には、一人で思い詰めてしまわないようにしましょう。一人で悩んでいると、怒りの気持ちや自分には価値がないという感情などに苦しんでしまいます。

会社の中に相談できる部署や役職の人がいれば相談しましょう。パワハラをしている人に上司がいれば、その人に相談する事ができます。

 

ココがおすすめ

社長に相談してみるのは良い方法です。なぜなら、普通の経営者なら、社員のことを貴重な財産と考えています。実際、社員を採用するのにも、雇用しているのにもお金がかかっています。その社員がパワハラによってパフォーマンスを発揮できていないとしたら、会社にとっては損失です。社長が状況を理解してルール作りなどに取り組んでくれるかもしれません。

 

まとめ

パワハラに絶対的な解決方法はありません。完全な解決方法は、退職や転職しかないという場合もあります。

パワハラを受けたときに一番大切な事は、あなたの心身の健康を守るという事です。そして、今後の社会人としてのキャリアにプラスにならない事に時間と精神力を使いすぎないようにしましょう。

他人の行動を変える事は簡単にはできません。ですが、自分の考え方、行動は変える事ができます。自分ができることをしてみても状況が変わらなければ、その会社はすっぱりと切り捨てて、次に進みましょう。

あなたの不動産営業として、そして社会人としての人生が、今後も豊かなものになる事を祈っています。

motoki

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