こんな疑問に答えます。
転職や就職で不動産営業を考えていますか?
不動産業の営業は、きついからやめたほうが良いという人もいます。確かに不動産営業は楽な仕事ではありません。
でも、一口に不動産の営業と言ってもいろいろな業種、業態があるんです。ですから、どんな不動産会社を選ぶかによって仕事のきつさは大きく変わります。
働く会社をよく選べば、不動産営業はむしろやりがいのある大変魅力的な仕事ですよ。
この記事を読むと分かる事
- なぜ不動産営業はきついと言われるのかが分かります
- どんな不動産会社は本当に仕事がきつく避けた方が良いのかが分かります
- どんな不動産会社を選べば良いのかが分かります
不動産営業がきついという理由は?
- ノルマ
- 休みが休日
- オフが無くなりがち
- ノリが体育会系
- 業界が結構ダーク
まずは、なぜ不動産営業が「きつい」と言われるのかを知っておきましょう。
ほかの人がきついと感じても、あなたも同じように感じるとは限りません。きついと言われる理由を解説していきますので、不動産営業が本当にあなたにとってもきついのか見極めてください。
ココがポイント
同じ不動産業でも、会社によって仕事のきつさは大きく変わってきます。ここでは不動産業会全体に言える、仕事がきつい理由を解説していきます。
きつい理由1:ノルマ
不動産営業がきつい理由は、なんと言ってもノルマでしょう。
とは言え、営業ノルマは、不動産営業に限らずどんな営業職でも課せられるものです。ノルマがない営業はあまり見かけないですし、ノルマがないと成果も出にくいのも現実です。
営業の仕事をする以上、必ず「ノルマ」との戦いがあるという事は理解しておきましょう。
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きつい理由2:休みが平日
休みが平日だと、お店や行楽地が空いていて良いというメリットもあるのですが、その反面、ほとんどの会社の休みは土日祝日なので、家族や友人と休みが合わないということになります。
特に学齢期の子供がいる場合には、学校が休みの週末に子供と遊ぶという事が出来なくなります。また運動会などの学校行事なども大抵週末に行われるため出席するには仕事の休みを取る必要が出てきます。
それで、休みが平日という事が、人によっては不動産営業がきついという理由になるでしょう。
きつい理由3:オフが無くなりがち
不動産営業の仕事に就くと、オフの日がなくなりがちです。
特に不動産仲介営業の場合、週末などの休みの日に契約や現地案内などをし、平日には銀行とのやり取りなどを行うため、常に仕事が切れる事がありません。休みの日にお客さんから携帯に電話がかかってくることも良くあります。
一生懸命頑張って仕事をしていると、本当にオフが無くなってしまいます。
さらに詳しく
実はこの問題は、仕事の仕方や時間の使い方でほぼ解決できます。でも、うまく時間をコントロールできない新人時代などは、「オフが無い」状態に陥りがちです。
きつい理由4:ノリが体育会系
多くの営業会社にも言える事ですが、不動産会社には体育会系のノリの人が多いです。特に男性社員が多い会社は、そういう傾向がさらに強いかもしれません。
体育会系のノリの人とは、(全ての人がそうとは言いませんが)基本的になんでも気合と根性で乗り切る感じの人です。
もちろん、そこまで筋肉質なノリではない、スマートな感じの不動産会社も存在しますが、不動産業界は全体的にそういう雰囲気が多いという感じです。
きつい理由5:業界が結構ダーク
不動産業界にはパワハラをしたりコンプライアンスを無視する(またはそもそも知らない)ような人が少なからず存在します。大手の不動産会社でも、上司のパワハラが厳しくて、退職したり心を病んでしまったりする営業マンもいると聞きます。
自社にはそんな人がいなくても、不動産業ではどうしても他の不動産会社の社員とも取引をする必要があります。横柄な態度で接してくる人や、平気で嘘をつくなど倫理観の薄い人と接するとイライラする事も多いです。
どの業界でもそんな人はいるのかもしれませんが、不動産という高額商品を扱う営業マンにもそんな人がいるというのは残念な事です。
ココがおすすめ
裏を返せば、そんなダークな業界だからこそ、親切で誠実に仕事をする人は、他社の営業マンにもお客さんにも好印象を与える事ができます。誰しも気持ちの良い人と取引をしたいと考えるものです。業界のダークサイドに染まらずに仕事をできる人は、いずれ良い成果を出す事ができるでしょう。
こんな会社の不動産営業はきつい
- 飛び込み営業系
- 売上至上主義系
不動産業者と言っても様々な業態があります。扱う不動産の種類も顧客の種類も様々です。働く会社の業態によって仕事のキツさも異なってきます。
ここからは、不動産業界の中で特に仕事がきつく、できれば避けたほうが良い業種を解説します。
飛び込み営業系
営業の方法ですが、主に飛び込みの営業で新規の顧客を獲得しているような会社で働くのはかなりきついです。
飛び込み営業とは、企業や個人の家を直接訪問し営業活動をする方法です。飛び込み営業には、直接の訪問だけでなく、名簿にある番号に電話を片っ端からかけて商談に持ち込むという営業方法もあります。
飛び込み営業が多い業態の不動産会社は以下です。
収益不動産販売
投資マンションなどの収益不動産の販売は、基本的に飛び込みの営業が多いです。
最初の営業アプローチは電話が多いです。電話をかけまくってまずは面談のアポを取ることから始まります。新人のうちは、なかなかアポを取ることが難しく、一日中電話をかけることになるでしょう。
ココに注意
昔は文字通り電話の受話器をテープで手に巻きつけて、一日中電話をかけさせるという嘘のような本当の話を事を聞いた事があります。
最近ではそこまでブラックな会社は少ないかもしれませんが、嫌がる相手に延々と電話をかけ続けることで心が折れてしまう営業マンも少なくありません。
土地活用営業
土地活用系の不動産会社は、地主や不動産業者を回って、アパート建設など、土地活用の提案をします。
飛び込みで訪問する事も多くなかなか話を聞いてもらう事はできません。粘り強く足で稼ぐ営業スタイルです。
さらに詳しく
この様な営業を経験し一定の成果を出せるようになれば、得るものも多いとは思いますが、そこまで行くのはなかなかきついものが有ります。不動産取引の知識や経験などが身に付く前に心が折れてしまいやめてしまう人も多いです。
売上至上主義系
不動産仲介会社の中には売上至上主義という雰囲気の会社があります。そのような会社では、社員同士もライバルで、残念ながら和やかな雰囲気はありません。社内でもよく物件や顧客の取り合いが起こります。
売上達成の為に上司からの締め付けも厳しく、成果を出せないと上司にかなり詰められることになります。上司もその上の幹部に詰められているので、八つ当たり的な説教をされる事もあります。
一方、そのような会社では営業成績が良ければ歩合給が飛躍的に上がるので成果を出せる人は大きく稼ぐ事ができます。そのため、一匹狼的な営業マンが集まりますが、長く勤めるという雰囲気ではなく、常時働く人が入れ替わるというような感じです。
ココがポイント
ここまでで取り上げたような業態の不動産会社に入ってしまうと、仕事がきつくかなりストレスを感じることになってしまうでしょう。
特に、不動産業界が未経験という人の場合には、不動産の知識が身につく前に、仕事に嫌気がさしてやめてしまう事があります。そうなると、得るものも少なく非常にもったいないです。
不動産業界で働く場合、どんな業態の不動産会社に勤めるか、どの会社を選ぶかという事は非常に重要です。
不動産営業ならこんな会社を選ぼう
- 不動産業を極めたい:売買仲介営業
- 比較的ゆったり仕事をしたい:銀行系不動産会社
- 将来独立したい:ベンチャー系仲介・大手仲介会社
- とにかくお金を稼ぎたい:買い仲介営業系不動産会社
- 土日は休みたい:賃貸管理系・法人営業系不動産会社
あなたの目指すところによって選ぶべき会社は変わってくると思いますので、「こんな人はこんな会社を選ぶべき」という観点で解説していきます。
同じ不動産業でも、会社やその業態によって、働く時のキツさはかなり異なってきます。
良い不動産会社に入ったとしても、仕事をする以上、当然きついと感じる事はあるはずです。それは不動産業に限らずどんな業種の仕事でも同じです。
ある程度のキツさを感じながらも、それを乗り越えていく事で、人としてもビジネスパーソンとしても成長する事ができます。
ここからは、不動産業界で営業として働く場合、どんな会社を選んだら良いかを紹介します。何を目指すのか、何を重視するのかによって選ぶ基準は変わってきますので、いくつかのケースに分けて解説していきます。
不動産業を極めたい:売買仲介営業
不動産の仕事を極めていきたい、この業種のエキスパートになりたいなら、不動産仲介営業をおすすめします。
不動産仲介の営業は、主に一般の顧客を相手に仕事をします。
一般の顧客、つまりエンドユーザーの声や動向というものを知っておく事は、営業として成功するために非常に役に立ちます。もし将来、他の業態の不動産会社に転職したとしても、その知識は必ず役にたちます。
不動産仲介営業は、エンドユーザーだけでなく、買取業者や建売り業者、他の仲介業者とも取引をします。業界の中でコネクションを作るのに最適な環境と言えます。
さらに、仲介営業の仕事は多岐に渡るので、銀行や税理士、司法書士とのやりとりから住宅ローンの知識や法律や税金の知識も深める事ができます。
ココがポイント
業界で良いコネクションを作る事ができれば、将来必ず役にたちます。それで、同業者もエンドユーザーと同様に大事にしましょう。
参考に売買仲介で有名な不動産会社の例を上げておきます。
売買仲介業者の例
- 三井のリハウス
- 住友不動産販売
- 東急リバブル
- 野村不動産アーバンネット
ココがおすすめ
不動産仲介営業は、関わる仕事の範囲が広いので、不動産取引に関する知識と経験も幅広く得る事ができます。不動産業を極めたいと思うなら、不動産仲介営業から始めるのがおすすめです。
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比較的ゆったり仕事をしたい:銀行系不動産会社
比較的ゆったりと仕事をしていきたいという人もいると思います。営業職でも、あまりゴリゴリした(?)営業をしたくないという方は、銀行系の不動産会社をお勧めします。銀行系の不動産会社は、普通の仲介会社と同じような営業もしますが、銀行からの紹介案件などもあり、それほど熾烈な競争を強いられません。
銀行系の不動産仲介会社は、普通の仲介会社からみると、「ゆったりと仕事をしているなー」というイメージです。
会社によっても異なりますが、銀行と同じように土日祝日が休みの会社もあります。
ただし、売れば売っただけ給料が上がるというようなわけではありませんので、お金よりも自分の時間を重視して比較的ゆったりと仕事をしていきたい人にお勧めです。
銀行系不動産会社の例
- 銀行が100%出資している不動産会社
- ○○不動産に銀行の名前が入っている
将来独立したい:ベンチャー系売買仲介・大手売買仲介会社
将来不動産業で独立したいと考えているなら、やはり不動産売買仲介から始めるのがお勧めですが、仲介業の中でもベンチャー系の会社か、大手の仲介会社がお勧めです。
それぞれの会社で働くメリットと目的は少し異なります。
ベンチャー系仲介会社ですべてを経験する
ベンチャー系の仲介会社は、良くも悪くも全ての業務を自分で行う必要があります。
物件情報を仕入れ、チラシを作成して集客をし、案内、契約、決済とすべてを1人で行う会社もあります。つまり全ての業務を経験できるのです。これは少し大変ですし、仕事の忙しさの割に給料はそれほどでもないと言う事もあるかもしれません。でも将来独立を考えているなら、この経験は必ず生きてきます。
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特に独立開業するには「集客」の部分が大事です。集客のノウハウを持っている会社で経験を積む事ができれば、独立開業の夢にも近づけると言えるでしょう。
大手仲介会社でコネと資金を作る
将来独立を考えているなら、大手仲介会社で経験を積むというのも一つの方法です。
特に大切なのは、コネを作っておくという事です。同じ会社内の営業や、他の仲介会社の営業も将来取引先になる可能性があると考えて、良い関係を築くようにしましょう。
とにかくお金を稼ぎたい:買い仲介営業系不動産会社
とにかくお金を稼ぎたいという考えなら、売買専門の仲介会社で、買い仲介を主に行っていて、歩合率の高い会社を選びましょう。
買い専門の仲介会社とは、主に「不動産を購入する顧客」を相手に営業をしている会社です。
さらに詳しく
大々的に売り出し広告を打っていたり、現地販売会をたくさん行っているような不動産会社が「買い仲介営業系」の不動産会社です。
買い仲介営業系の不動産会社でお金をたくさん稼ぐためには、その会社が稼ぎやすいシステムになっているかどうかを確認する必要があります。お金を効率よく稼ぐためには、次のことが大切です。
- バックオフィスが従事している
- 歩合給が良い
- 物件単価が高いエリア
バックオフィスが充実している会社を選ぶ
営業が売上を上げることに100%集中できる環境があれば、その分お金を稼ぎ安くなります。つまり営業が売上を上げることに直接関係のない雑務を出来るだけしなくても良い環境が整っている会社は、お金を稼ぐには有利です。
それで、営業マンに対してどんなフォロー体制があるかをよく見極めるようにしましょう。
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具体的には、案内と契約までを営業が担当し、その後の契約業務や銀行とのやり取りなどは営業ではなくバックオフィスのスタッフが担当するというような体制の会社です。
これだと行う業務は限定されますが、売上を上げることに集中する事ができるので、稼ぎやすくなります。
歩合給と物件の単価にも注意
売り上げに対して歩合で給料が上がっていくシステムがある会社の方が稼ぎやすいです。それで給料の歩合率についても確認しましょう。
歩合率が高いと、当然売り上げが上がらなかった月は給料が減ってしまうリスクがありますが、逆に売り上げを上げればその分大きく稼ぐ事ができます。
不動産営業の売上は主に仲介手数料です。仲介手数料は不動産の価格に影響されますので、物件価格がある程度高いエリアで仕事する事も重要です。同じ手間と時間をかけても、物件価格が低いと売上は少なくなってしまいます。
土日は休みたい:賃貸管理系・法人営業系不動産会社
不動産業界は、基本客商売なので、土日祝日も仕事をする会社がほとんどです。
でも、もし子供がいたりして土日はどうしても休みたいという場合は、賃貸管理の不動産会社か、主に法人相手に営業をしている不動産会社を選ぶようにしましょう。
さらに詳しく
大手のアパートチェーンの管理部門など、土日休みの不動産会社もあります。法人営業でもテナントの管理などを行う不動産会社が土日休みの場合が多いです。
まとめ
- 不動産営業はきつい仕事ではある
- 働く不動産会社の業態によってキツさは大きく変わる
- 働く不動産会社を見極めれば不動産営業は良い仕事になりえる
今回は、「不動産営業はきついのか」というテーマで解説しました。
もしこれから不動産業界で働くことをお考えなら、今後のキャリアの事も考えて良く会社を選んで下さい。
不動産の仕事はとてもエキサイティングです。特に不動産営業の仕事は、他の業種の営業にも応用が効きますし、おすすめです。
この記事の情報が、あなたの仕事選びに少しでも役に立てば幸いです。
motoki